レストランで号泣してしまった彼女が落ち着くまで、
従業員からワインのサービスをいただいた。
今日のお祝いと、記念に、と。
小さなチョコレートケーキの乗ったドルチェも、
なかなかワインに合っていた。
かなりうれしいものだ。
サービスの2度めのデザートとワインがなくなるころ、
彼女からクリスマスプレゼントをもらった。
恥ずかしそうに紙袋を渡される。
なかには、マフラーがはいっていた。
おしゃれな感じはするが、手作り?
かなり時間もかかったであろうプレゼントにおれは感動した。
さっそく、レストランからの帰りに首に巻いて帰った。
あとで彼女から聞いたのだが、彼女もまたプレゼント恐怖症であったようだ。
昔、付き合っている彼氏に手編みのセーターをプレゼントしたら、喧嘩したときに、
「うざい。重い。」
と言われたのだとか。
なんか、おれより最悪だったようだ。
彼女のマフラーは毛糸がやわらかくて、つけごこちも最高だった。
なんでも買って済ませるこの時代に、手編みできる彼女を誇らしく思った。
と、同時に、似たもの同士のおれたちは、
きっとこれからも上手くやっていけると思う。
プレゼントに大切なのは、相手の反応ではなく、
相手をどれだけ思っているかが大切だったのだ。
そのときの気持ちを、プレゼントという形にすれば良いだけ。
これからも、ちゃんと彼女と向き合って、
お互いの気持ちをプレゼントできたら最高なんだけどな。